医学生との共同学習会
2024年度
【2024年度第1回体験型学習】フィールドワークin福島 開催
2024-05-18
山形県民医連主催の企画として、5月18日(土)に福島県富岡町にて、「福島第一原発事故とその後の福島の歩み」と題してフィールドワークを行いました。
山形から福島へ向かう高速道路の脇に立っていたのは、「ここから帰宅困難区域」という標識。今回訪れた富岡町も、震災から13年が経った現在に至るまで帰宅困難区域が存在しています。
午前中は「東京電力廃炉資料館」を見学し、原発事故が起きた背景や、現在まで続く除染作業について学びを深めました。出入り口にて無料で受け取ることができるのは、風評被害をなくすために配られている現地の美味しい水道水です。館内展示では、事故対応にあたった職員の「生の声」を伝えるためのインタビュー映像などを見ることができ、“記録と記憶・反省と教訓”というコーナーでは、「安全でないことを認めれば、説明が必要になります。リスクコミュニケーションを躊躇し、安全は既に確立されていたものだと思い込んでいました。原発は十分に安全だと思いたいという願望が、我々にあったのです」というメッセージが流れていました。
午後は「NPO法人富岡町3.11を語る会」の語り人(かたりべ)の方と共に、富岡町の各所を巡りました。津波で自宅を流され、原発事故によって避難生活を送った語り人の方からは、「津波で家を失って、泣きながら避難所へ来た人たちの姿を覚えています。安全安心と聞かされて原子力発電所と共存してきたのが富岡町でしたから、原発事故が起きたときは言葉が出ませんでした。県外にある避難先での生活が長くなった家族は、この町に帰って来たいという気持ちは薄いようです。寂しいですね」と話をしていただきました。
フィールドワークを通して見えたのは、東日本大震災の起きたあの日に町を襲った津波によって多くの人が悲しみを抱える中、そこへ追い打ちをかけるように深刻な原発事故が起きたという事実でした。