鶴岡協立病院医師
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●高橋美香子医師(消化器内科)
~高橋美香子先生に聞きました~
研修がとにかく面白いです。研修医時代に、消化器内科以外のところもローテートしました。どれも面白かったのですが、消化器内科の医師になることを決めました。消化器内科というのは対象とする臓器や疾患が幅広いです。消化管だけでなく、肝臓、胆膵などのいろんな臓器をみることができます。いろいろな疾患があり、いろいろな治療法があります。たとえば末期癌の患者さんの往診による緩和医療に親身になって取り組むこともあるし、早期癌の患者さんの内視鏡治療も大事です。症例が集まってくるので、飽きがこず、面白いです。小さい病院だと内科という区分しかありませんが、大きすぎると、臓器ごとに分かれています。当院くらいのほどよく小さい病院にやりがいを感じます。特に、内視鏡の検査件数では県内トップクラスの数ではないかと思います。あとは自由なところです。病理の先生もいて、フィードバックがあり、お互いに協力し合えます。自分で何かやりたければ自分でレールを敷き、自分で実践してゆくことが出来ます。足を引っ張る人がいないので、この病院は好きです。病院そのものと一緒に成長してゆくという感じです。
みなさんには、楽しく働いてほしいと思います。逆の言い方をすれば、楽しめる働き方をして下さい。医師はとても忙しい仕事です。働くことを、お金を稼ぐ手段だと考えると割に合わないし、つらくなります。不謹慎に聞こえるかもしれませんが、特に若いうちは楽しんで仕事をした方が、患者さんにとっても、自分にとっても、よい結果がでると思います。「暗闇を嘆いてばかりいないで、そこに1本のろうそくの明かりを灯す人になりなさい」という言葉が好きです。夢は見るものではなく、叶えるもの、形にするものです。自分の道を自分で切り開いてください。
[注]基盤組織:医療生協の組合員や友の会の会員など、日常的に民医連の事業所や法人と共同・連携を行う共同組織のことです。いのちと健康を守る運動や、安心して住み続けられるまちづくりの運動など、民医連にとって大変心強い、あらゆる運動のパートナーです。
●石川充医師(小児科)
~不登校やADHD(注意欠陥多動性障害)など、こどもと親をとりまく様々な「こころの問題」への取り組みについて伺いました。~
研修で、障害児や発達障害、自閉症、ADHDなどを勉強してきました。また、極小未熟児も診てきたわけですが、、当時は「インタクトサバイバル」を目指すということで、そうした未熟児を「無傷で、障害を残さない」ということでがんばっていたわけですが、数年後の経過をみてみると、やはり何らかの障害をもっていることが多いことがわかってきました。そうしたこどもたちのフォローが必要だと思ったことがひとつ。
それから、鶴岡に戻ってきて、日常は圧倒的に感染症の患者さんが多いわけですが、こころの問題を抱えているこどもたちもまた、たくさんいることがわかりました。こうした分野はカウンセリングなど時間はかかるけれども収入には結びつかず、通常の外来ではじっくりと話を聞ける状況ではないので、外来の後にお話を聞いたり、専門外来を始めるなどして徐々に取り組んできました。
学校の先生にこちらから連絡をとってお話を聞いたり、「授業参観」させてもらってこどもの様子をみさせてもらたりもします。庄内地域の小学校にはほとんど出向いたことがあります。こどもは病院と学校と家庭では、まったく違った振る舞いをすることもあります。親と学校の先生と小児科医が認識を一致させることがとても大切です。
学校の先生にこちらから連絡をとってお話を聞いたり、「授業参観」させてもらってこどもの様子をみさせてもらたりもします。庄内地域の小学校にはほとんど出向いたことがあります。こどもは病院と学校と家庭では、まったく違った振る舞いをすることもあります。親と学校の先生と小児科医が認識を一致させることがとても大切です。
子育てにまつわる情報が氾濫している一方、核家族化がすすんで、身近な人からのアドバイスがない状況で、親が迷っていることが多いですね。「おばあちゃんの知恵袋」が活かされないのは残念です。
近所の子供が4ヶ月で首が据わったのに、うちの子供はまだ、だとか、上の子は8ヶ月で歩いたのにこの子はまだ歩かない…などと、何かと比較して不安になる親もいます。「そんなことなんで病院で聞くの!」と思うこともありますが、親も困っているので、親をどう支えるかということが、小児科としては大切ですね。
いわゆる「虐待」についても、虐待自体は防ぐべきことであり注意が必要ですが、虐待してしまう親自身の多くが、かって虐待を受けていたとか愛された経験がないなどの側面があることもふまえなければなりません。親をどうフォローしていくかが大事です。「子育て」をしながら親も成長するという視点も大切です。
近所の子供が4ヶ月で首が据わったのに、うちの子供はまだ、だとか、上の子は8ヶ月で歩いたのにこの子はまだ歩かない…などと、何かと比較して不安になる親もいます。「そんなことなんで病院で聞くの!」と思うこともありますが、親も困っているので、親をどう支えるかということが、小児科としては大切ですね。
いわゆる「虐待」についても、虐待自体は防ぐべきことであり注意が必要ですが、虐待してしまう親自身の多くが、かって虐待を受けていたとか愛された経験がないなどの側面があることもふまえなければなりません。親をどうフォローしていくかが大事です。「子育て」をしながら親も成長するという視点も大切です。
●猪股昭夫医師(心臓血管外科)
~今回は猪股医師に学生時代の思い出などを伺いました~
その通り。自分の上の学年が「入局ボイコット」というのをやったのです。これは、大学入局する人と研修病院に出る人がどちらも必要だということで給料のプール制を決めたのです。しかし、見事に失敗してしまいました。
それで、自分たちの学年はどうするか、基礎に行くのは、まず良しとして、臨床で行く人は大学でのローテート案を自分たちで作って学務教官と交渉したのです。ところが、当時の教官は大学も人手不足でとてもローテートの指導はできないと言ってきたのです。そこで学生は、「自主ローテート」をすべきだ、いやできないなどと喧喧諤諤の議論となりました。しかし、結局まとまらず、それぞれの道へ行くことになりました。
自分では何でも診られる医者になりたいと思っていたので、聖路加とか虎ノ門、長野の佐久病院などを考えていましたが、秋田の中通り病院(民医連)に仲間が見学に行くことになりいっしょについていったところ院長の話にのってしまったというわけです。
それで、自分たちの学年はどうするか、基礎に行くのは、まず良しとして、臨床で行く人は大学でのローテート案を自分たちで作って学務教官と交渉したのです。ところが、当時の教官は大学も人手不足でとてもローテートの指導はできないと言ってきたのです。そこで学生は、「自主ローテート」をすべきだ、いやできないなどと喧喧諤諤の議論となりました。しかし、結局まとまらず、それぞれの道へ行くことになりました。
自分では何でも診られる医者になりたいと思っていたので、聖路加とか虎ノ門、長野の佐久病院などを考えていましたが、秋田の中通り病院(民医連)に仲間が見学に行くことになりいっしょについていったところ院長の話にのってしまったというわけです。
スタッフ不足で大変でした。ローテートカリキュラムがありましたが、「絵に描いた餅」でしたね。はじめ胃腸科だったのですが、オーベンは15歳上くらいの医者でその間にはだれもいない。5月ですでに25人も患者さんを預けられていました。こんな状況だったので夜も寝ないで勉強しまくったという感じです。内視鏡は結構丁寧に教えてもらいましたが、普段は聞きに行かなければ何も教えてもらえない。それで頭に来て医局会議のたびに「研修指導がなってない」と叫び、院長にも直訴しました。それでも変わらないので弘前大のラクビー部時代の顧問の先生に駆け込んで病理に行かせてくれと頼んだり、いろんなことがありましたが結局中通りで研修していました。それで自分たちが2年目3年目になって後輩を指導して研修をつくっていくしかなかったのです。