本文へ移動
山形県民主医療機関連合会
〒990-2331
山形県山形市飯田西1-2-30
TEL.023-631-3327
FAX.023-641-8937

庄内事務所
〒997-0822
山形県鶴岡市双葉町13-45
TEL.0235-26-8755
FAX.0235-26-8756



 
0
0
7
4
2
7
3

2006ナースウェ-ブ

■看護現場の現状

  現在、医療を支える看護師のメンタルヘルスが深刻となっています。看護職場の人手不足やストレスがメンタルヘルスを悪化させ、看護師の人員不足が医療現場では続いています。
  産業衛生学会にも、看護師のメンタルヘルスの報告が挙げられています。「入職一年後の燃えつき症はストレスの影響を受けていた」「大学病院における看護師の離職に関する要因に、燃えつき、抑うつ、身体愁訴が・・・」などです。
  看護師を対象に「メンタルヘルス相談」を行う、ある臨床心理士に聞きました。患者に対するカウンセリング法を教える中で「私たち自身のストレスも半端じゃない」という声を聞いてきた体験から「看護師は自分で対応できると思われる」と。様々な職種と接してきて感じ、相談窓口を開くきっかけになりました。看護師のメンタルヘルス障害の増加や新入看護師がリタイヤする傾向もよく耳にし、「なかには看護師になる以前から、ストレスを人一倍強く受けやすい条件を持っている人もいる。そのケアは不可欠。一方、病院によっては、過度なビジネスモデルの導入、効率至上主義の影響もあるのではないか」と話します。

■現場の声

  2004年の職場のストレスアンケートの結果が、「看護師だけが一貫して健康リスクが悪化。特に急性期病棟の看護師は、急速に悪化。これは看護師の働く意欲、仕事の満足度の低下に結びつく」というものでした。調査に関わった産業医は、「高度化する医療に対応し、安全問題で緊張し…看護師は激変する医療の矢面に立ち、ストレスが集中的に現れている。対策の基本は、人を大切にする職場づくり」と話ました。看護師に表れた健康悪化は、各医療職の健康リスク上昇の象徴といえそうです。さらに、産業医は「問題の根源は現行の医療政策。メンタルヘルス対策と同時に、制度改善の運動も求められる」。

■日本看護協会が厚生労働省に提出した「意見書」-医療提供体制の見直しを求め

  2005年、日本看護協会は、厚生労働省に医療提供体制の見直しを求める「意見書」を提出しました。医療・看護をとりまく環境の変化、医療安全など近年とくに求められてきた課題を述べつつ、「国民の医療参画への支援」や「安全」「救急」「在宅」「人材養成」などを強調しています。目を引くのが安全対策の項にあった人員配置の引き上げ提案。「急性期一般病床は患者対看護職員1・5対1以上、夜間帯看護職員配置数の増員及び常時配置の考え方の導入」です。
(1)「現行の診療報酬の最高基準は2対1、これでは足りません。実際には二交代勤務をするので、看護師一人がみる患者数は日勤で七人、夜勤では十五人くらいになります。夜勤は最低でも十人の患者さんに一人の看護師が配置される保障がほしい」とし、「急性期一般病床は1・5対1以上という根拠はここからでています」。
(1)また「常時配置」は、どの勤務帯でも一人の看護師が受け持つ患者の数が同じであるという配置を意味しています。例えば、カルフォル二アでは5対1体制を24時間維持する保障がされています。「一人の看護師の受け持ち患者が一人増えると、患者の入院30日以内の死亡率が7%上がる」とのデータに基づいているそうです。

(2)20005年8月にまとまった看護師の需要状況調査では、03年度の離職の特徴などを報告しています。離職率平均は11.6%と、前年と変わらなかったものの、平均在院日数や地域別で差が大きく出ました。一般病棟の入院基本料Ⅰ郡1算定の病院を平均日数で比較すると「14日以下」の離職率が13%を超えました。
(2)「平均在院日数が少ない病院ほど離職率が高い傾向があり、現場ではより強い閉塞感があると思います。もともとの配置基準が少ない上、重症患者に高度医療を提供する急性期病床では看護師の負担が過重です。入退院業務の増大など業務密度が高くなり、実際1対1でも間に合わない病院も」あり、「診療報酬の人員配置基準の上限が引き挙げられ、人手が足りてくれば離職率は低くなるのでは」と協会理事は期待します。

  また、理事の方は、高齢社会の実情をふまえ、医療提供の見直しの必要性にも触れました。「これまで過疎地の悩みだった高齢化社会問題は大都市の問題になります。急性期を脱しても、帰るに帰れず、病院を転々としている患者さんも。平均在院日数の短縮と同時に、在宅医療・訪問看護の基盤整備をすすめる必要があります。理想はひとり暮らしでも在宅療養できるシステムですが…」。さらに、「看護労働と医療提供体制と、同時並行的に改善していかないと、矛盾はなくなると思うんです。毎年の総会でも、現場のたいへんさを会員が切々と訴えます。この実態を市民にどう伝えるか、努力していきたい」と述べてくれました。

■全国の動き

○千葉 2005年12月1日 記者会見を実施
  千葉民医連、千葉県医労連、看護をよくする会の三団体で記者会見を行いました。
   「看護師増員の訴えとあわせ、看護師が安心して働ける診療報酬体系を県としても国に要請すること、准看護師が看護師に移行するための二年過程通信制養成校の具体策を早急にすすめることなどを訴えました」

○京都 2006年1月22日 「看護のこころをつなぐ京都フォーラム」開催
  3月4日 看護大宣伝(四条川原町)に70名のナースが集結。

○奈良 学習会開催
  平和会吉田病院で看護改善大運動学習会が開催され、55名が参加しました。3名の看護師が代表して、現場での実態とともに、「もっと患者さんに寄り添い、ケアを十分にしたい」と想いが出されました。

○九州・沖縄 2006年2月19日 看護集会開催
  福岡・天神の繁華街に、九州・沖縄の医療機関に勤める看護師550名(県の国立病院や労災病院からも参加)が集まり、デモ・宣伝行動を行いました。最初は、警固公園に集まり、よびかけ人代表の小倉記念病院の看護師が訴えた後、千鳥橋病院の総師長が行動提起。天神をデモ行進した後、ハンドマイク、宣伝署名行動。白衣・ナースキャップス姿、風船が目を惹き、市民にアピールできました。また、この様子は朝日・毎日・西日本新聞などマスコミにもとりあげられました。

○三重県
  3月5日国際女性デー三重集会で、若手看護師が看護師の現状を報告しました。また、津生協病院では、看護フォーラムが開催されました。
TOPへ戻る